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NOVELLO(ノヴェッロ)
今回は、その年の葡萄から醸造されるイタリアの新酒のお話。
Novello(ノヴェッロ)とは、その年に収穫したブドウで醸造され、11月に発売されるイタリアの新酒のことをいいます。フランスのボージョレー地区で収穫された新酒をヌーヴォーと呼ぶのは、もう皆さんよくご存知ですよね。要するに、ノヴェッロ(伊)もヌーヴォー(仏)も生産地域やぶどう品種は違うものの、その年にできたぶどうで造った新酒という意味では同じようなタイプのワインです。「マセラシオン・カルボニック」と呼ばれる製法(炭酸ガスを充填したタンクでブドウの皮の色素や風味を自然に早く抽出する製法)で、酸味やタンニンの少ない赤ワインが造られます。ノヴェッロもヌーヴォーも何といっても、できたての果実味あふれるフレッシュな味わいが魅力です。
このワインを生産するワイナリー、フェウド・モナチ社は、プーリア州南端のアドリア海とイオニア海に挟まれた幅の狭いサレント半島にあるサリチェ・サレンティーノに位置します。プーリア州では最も進んだ醸造技術と近代的な設備をあわせ持っていると評判のワイナリーです。
8月の終わりに手摘みで収穫した皮の厚いプリミティーヴォ種100%のぶどうを厳選し、ぶどう粒を丸ごと発酵させて造られました。2007年は4月上旬から例年より気温が高く、驚くほどの猛暑となりました。この気候の影響で、ぶどうもよく熟し、6月には程よい雨が降ったため、乾燥しすぎずとても良い状態で例年より2〜3週間も早い収穫となったようです。今年のノヴェッロは、深く濃い赤紫色で、華やかでストロベリーやチェリーのフレッシュな香りに溢れています。口に含むと、もぎたての完熟果実を食べた時のような素晴らしいまろやかさで、香りにも表れていた穏やかな甘さとアフターに感じるクリーンで心地よい酸味とのバランスも絶妙で、とても魅力的なワインに仕上がっています。11月6日より、加護や・きゃらん店、フォレスト店、とう粋庵、各店でお取り扱いしておりますので、是非ご来店の上、その味わいをご自身でお確かめ下さい。お待ちしております。